lovable winp
俺にとっての本題はここから。
こいつとの暇潰しのセックスが終わった後にある。
「泊まりたきゃ勝手に泊まれよ。金置いとくから」
素っ気ない俺の言葉に彼女はおもしろくなさそうに唇を尖らせた。
それに目もくれずに、俺はさっさとラブホを後にした。
高校からちょっと離れた裏通りにあるラブホの入口を出たら、案の定で雨が降り始めていた。
人気の無いラブホの前に立っていた俺の前に、見計らったように歩み寄ってくる小さな影。
「お待たせ」
「…………」
その影にわざとらしい作り笑顔を向けて手を差し出した。
薄ピンクの傘からチラリと顔を覗かせて、俺の顔を窺うその表情は何とも言えない目をしている。