lovable winp
「それでもアイツは俺に惚れてるから、俺の言いなりになってるだろっ!」
俺にとっての切り札を、
「……おまえをまだ好きで居てくれれば良いけどな」
優明はさらりと受け流し、床に転がっていたコンドームの箱を俺にわざわざ渡してから、踊り場を後にした。
まだ好きで居てくれればって……そんなの当たり前に決まってる。
だから、アイツはこんなのを買いに行ったんだ。
相菜の愛情を計りたくて買いに行かせたコンドームが、結果的には相菜を今までで一番傷付けた。
相菜はどんな気持ちでこれを買いに行ったんだ?
……これだけじゃない。
今まで俺がだした命令にどんな気持ちで応えてたのか……。
やっぱり俺と付き合いたいからだよな?
それくらい俺のことが好きだってことだよな?
いくら自問したって出るはずのない答え。
それをずっと考えてる間に、とっくに5限目の授業は始まっていた。