lovable winp
居心地が悪そうな不満そうな悲しそうな……そんな感情がごちゃ混ぜになったみたいな顔で、そいつは俺に持っていた傘を差し出した。
「彩くん……わたし、こんなのはあんまりしたくない」
ラブホなんて全く縁遠そうな地味な出で立ち。
さっきまで一緒に居た女と同じ制服なのに、印象は全然違う。
三倉 相菜(あいな)。
小さい頃からの俺の幼なじみは、俯きながら泣きそうな声を出した。
まぁ、そりゃそうだよな。
他の女とセックスしに来たラブホに傘持ってくるなんて……誰だって嫌に決まってる。
それが自分の惚れてる相手なら尚更……。