lovable winp
自分勝手な怒りの矛先を相菜に向けて、
「言い訳してんじゃねぇよ! おまえは俺と付き合いたいんだろ? だったら大人しく俺の言うこと聞いてろよっ!」
感情的に欲求を叩きつける俺に、
「……もう、イヤだよ。こんなのっ」
相菜の心にずっと我慢していた限界が来たらしく、壁に磔にされていた腕を力任せに振り解いた。
それに面食らってる俺を視線をキツくさせた相菜が睨み付けた。
その目からは、ポロポロと大粒の涙が止め処なく溢れだしていく。
ずっと見せなかった涙に動揺する俺を見上げ、
「彩くんと付き合えなくて良い! だから二度とわたしに関わらないで!」
今まで聞いたことのないような大きな声で叫ぶように言って、目の前にあった俺の体を両手で押し退けた。