lovable winp

相菜からの強い拒絶。


階段から駆け降りて行こうとする相菜に、


「待てっ!」


必死に腕を伸ばして引き留めようとした瞬間だった。


「あっっ!!」


「相菜っ!!」


階段で足をもつれさせた相菜の体がぐらりと歪み、非常階段を転がり落ちてしまう。


その光景に頭の中が真っ白になって、全身の血の気が急激にひいていくのがわかった……。


下の階段の踊り場でぐったりと倒れ込んだまま動かない相菜に駆け寄り、


「相菜っ!!!」


抱き起こしながら必死に名前を呼ぶけど……相菜は目を閉じたまま何も答えない。


ただ、俺のせいで流していた涙の名残が閉ざされた瞼から頬に数滴流れ落ちていくのを見つめながら、両腕にある相菜の体をギュッと抱き締めた。



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