lovable winp

そんな相菜の表情を見て、俺の中の意地悪な感情がムクムクと膨らんでいったのを覚えてる。


「何しようとしてたんだ?」


「…………」


唇を噛み締めて涙を堪えた相菜がふるふると首を左右に振って見せる。


相菜が答えないのは想定の範囲内。


大人しくてウブな相菜が正直に答えられるワケない。


「……俺にキスしようとしたんだろ」


「っ!!」


まさか、寝てる俺にキスしようとしたなんて……。


幼なじみの腐れ縁、離婚して親に金だけでつなぎ止められてる俺への同情。


それ以外にも相菜が俺の言いなりになる理由は、


「俺のこと好きなんだ?」


これだったらしい。
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