lovable winp
だから今もこうやって、こいつはラブホまでわざわざ傘を届けに来たりしてるのだ。
滑稽だよな。
「いくら好きな相手だからって……他の女と寝た後のヤツに傘持ってくるかよ」
「……雨に濡れたら風邪引いちゃうから」
口ではこんなことしたくないって言ってた癖に、こんな言い訳までして……そんなに俺に気に入られたいのかよ。
バカな女。
「自分も相手にされるかもって期待した?」
「そんなことっ……」
ずっと俯いてた顔が真っ赤になってとっさに俺を見上げた。
否定しようとする眼差しが必死過ぎて哀れ。
「心配しなくても絶対ないから。……おまえには手出さないし」
「…………」
言い捨てた俺の言葉を聞くなり、相菜の顔はまた足元へと戻されてしまった。