さわってみる?
彼の指は思ったより大きくて、私の腕なんか、簡単に一掴みにしてた。

まさか、本当にさわりたいとかじゃ、ないでしょうね……?

そんなおっきな男の子って感じの手で、まさか……?

「……」

「……」

無言で、どうしたらいいかわかんない、気まずさ。

やがてのやがて、彼はハッと、なにかに気付いた。

私の頭を通り越して、ずっと先のほうを見てる。

私は、視線の先を確認しなくても、彼が、覗き見してる男子諸君らに気付いたんだとわかった。

パッと、彼の手を振りほどく。

「残念。この状況じゃ無理ね」
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