聖なる夜に口付けを
私は待たされるのが好きじゃない。寒い場所と暑い場所は特に嫌い。
それを知っているあいつは待ち合わせを定時より15分遅い、半に設定したはず。
なのに、だ。
もうすでに10分経過している。
もちろん私だって社会人だし、理解できないわけではないのだけど…
イライラする。理由はわかってる。認めたくないけど、…
開いたビルのドアからあいつが現れる。
隣には同僚らしき女。
私を見つけて足を早めてこちらに近づいてくるので私も歩み寄る。
一人でスタスタとこちらに向かうあいつだったが、別れるかと思われた同僚までついてきた。