聖なる夜に口付けを


「怒ってない。ただ帰るならご自由にってだけ。」


「なんだそれ。俺はお前が帰りたいだろうから帰るかって言ってんだぞ。」

隣を歩いてたはずの優斗の足がとまる。

つられて止まったわたしは優斗を振り返る。


間違ってない。わたしは確かに帰りたい。優斗はちゃんと私のことを分かってるし考えてる。だけど…

解ってない。


「別に。優斗とは一緒にいたくないけど帰りたくもないだけ。」

「なんだそれ」

「そのまんまだよ。」

「ざけんなよ。帰りたくねぇんなら俺といればいいだろ。」


「だから一緒にいたくないって言ってるじゃん」

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