聖なる夜に口付けを
「いっ…」
腕を持つ手と反対の手が容赦ない力で私の顎をつかむ。
近づいてくる顔は恐怖でしかない。
「口も塞がれてぇのか?」
初めてと言っていいほど、キレている優斗に何もいなくなる。
行きたくないと思えば思うほど、早く着いてしまうのが世の常で…
玄関を無言で越え、慣れた部屋へと連れられる。
ガチャン、というドアの閉まる音がいやに響く。
ベッドに投げ捨てられたと思ったら私の膝の上に腰を降ろす優斗。
それはまるで、逃げるなという鎖のように足に体重を感じる。