克服ブラックベリー
会話が絶えることはなかった
すごく楽しくて嬉しくて面白くて
私はずっと笑っていた気がする。
「あ!校門が見えてきたよ!
優真、懐かしいでしょ!」
私を知っている人…
私の過去を知っている人は
どれくらいいるんだろう…
「優真?」
「えっ……ごめん、聞いてな…」
「あれっ?沢沼さん?」
っ………この子達…
高2の時同じ教室に居たような…
「ほら!やっぱり沢沼さんだ!」
「沢沼さん?」
「ほら!2年の時同じクラスだった…」
その子達は私に近づいてくる。
さっ、と華恋ちゃんが
織海くんの後ろに隠れる。
華恋ちゃん…どうしたんだろう……
「お姉ちゃん死んで、彼氏に捨てられたって子じゃないっけ?」
「あ、…その子かぁ………」
っ……やっぱり
もうこんな風に
みーんな知ってるの?
胸がえぐられるよう
顔がドキドキとは違う理由で熱くなる
「あぁん?」
織海くんが不良全開で2人に近づく
「ちょ、清哉、落ち着いて…」
「清ちゃん…深呼吸ー……」
華恋ちゃんと織川くんが
必死に押さえる。
「なんでそんなデタラメ言うん…」
あ、なーんだ
織海くんは知らなかったのか
今更、事実を無かったことに
することはできない。
「そうだよ」
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