克服ブラックベリー
「ちなみに、ここC組の担任、俺じゃねーからな?」
「え?んじゃあなんで居るんすか?」
「新任の女の先生が来ねぇんだ」
女…え?女?、と男子がざわつく
「先生ー!ランクは!」
真後ろの席の織川心哉が手を挙げて先生に聞く。
「んー、俺的には……Aだな」
おおおおおお、とクラスがどよめく
俺はそういうの興味ないから外を見る
ガラガラッと大きな音
教室内の7割の生徒が肩をビクリとさせる。
「お、遅れてごめんなさぁぁい!」
栗色の髪がふわふわした女の先生。
確かにAだ、胸が。
俺はなにがいいのかわからん。
「やっときましたか栗谷先生、何してたんですか?」
ガラッと態度の変わった独身男性竜ちゃんを見て
生徒の9割が色々と確信した。
「ごめんなさい、道に迷っていました……
え、えっと…しゅ、出席をとります!」
後ろで緩んだ顔をしてる竜ちゃんに
呆れながらも、俺はカバンから漫画を出す。
「織海清哉さん!」
このクラスにあ〜えの苗字のやついねぇのかよ。
「うぃー」
「え、えっと、しっかり返事を…」
トン…と栗谷先生の肩に手を置く竜ちゃん
「あいつは真面目な不良なんで、気にしないでください!」
緊張で震えてる声に、数人がくすくすと笑う。
「あ、わかりました…
えっと…織川心哉さん!」
「はいはーい!竜ちゃんが先生のことAランクって言ってましたー!」
「おい馬鹿野郎…///」
竜ちゃんは慌てて訂正しようとするが
栗谷先生は気付いていないようで。
その時後ろからぐさっとシャーペンの芯(が出る方)らしきものが背中に刺さる。
「ってぇな!どうせならカチカチする方で刺せよ!」
「だって清ちゃんの背中って固そうなんだもーん」
頬を膨らませぶりっ子する。
「きめぇよ心哉…」
「そんなこと言ーうーなー!
名前も似てるし、クラスも離れない!
俺たち運命だって!絶対運命だよ!」
キラキラ目で見つめられる。
あぁ……逃走したい。