克服ブラックベリー
*優真side*
び、びっくりしたぁ…
お母さん誰か連れてきたな、とは思ったけど
まさかクラスメイトだとは…
それに、この清哉っていう人
シルエットがあの人に似てる。
「何もできねぇのに、学校行かないでなにしてんの?」
「小説…書いてます……」
キラキラ目を見張る織川くんと清羅さん。
そしてあからさまに「は?」という顔をする織海くん…
「ネットで……本も何冊か…」
ちょこっと自慢しとこ、自慢するアテ他にないし…
自慢できることも他にないし…
「すっげえ!」
「すっごーい!」
すご…い?
そうだすごいんだ。多分…
「んで、なんで学校来ねぇの?」
「えぇと………織海くんは…学校行ってるんですか?」
「俺?あぁ。行ってるよ、毎日遅刻だけどな」
頭かきながら、はは…と笑う。
あぁ、人ってこんな風に笑うんだ…
人の笑顔、妄想の外で久しぶりに見た。
「髪の毛も染めて、ピアスもして…
思い切り不良なのに…」
「学校行かなきゃ、学費払ってくれてる人に申し訳ねぇしな…」
あ、この人、きっと両親居ないんだ。
きっと昔から…すごく自立してる感じ…
「すごいなぁ…織海くん……
私も…学校行かなきゃな………」
私はそう呟く、織海くんはじっと私を見てる。
じぃーっと、織川くんの視線が私を離れない
「えぇと……なんですか?」
「可愛い…………」
「えっ!?」
「沢沼さん可愛いぃぃぃ!」
ぎゅぅーっと抱きしめられる。
「ちょ、心ちゃん!」
「はぁ………」
「学校来てよ!俺たち3人待ってるよ!」
人を待つのは辛い
そのことは、誰よりも分かってるつもり