克服ブラックベリー
「………わかりました
あと、できれば名前で呼んでください…」
「おお!愛の力?俺の愛、届い、いったぁぁ!」
清羅さんの頭突きが織川くんの後頭部に直撃。
「いってぇ…石頭……」
「うっさい!んじゃあ、ここで解散ね!
優真ちゃん!あたしと一緒に外出よう?」
「えっ、外?…」
「俺も行きたいー!」
「心ちゃんは清哉と勉強ー」
「ええええ………」
「やったぁ!清ちゃんと勉強ー!」
…小説の中だけだと思ってた。
こんなに楽しそうな世界…
「優真ちゃん……行こっ!」
手を差し伸べる清羅さん
私は変われるかもしれない…

『お前が死ねばよかった。』

過去と決別できるかもしれない。
初対面なのに…こんなにも信じられる
こういうの久しぶり。
裏切られるとか裏切るとか、この人達の辞書にはきっとない…
「うん!」
温かい清羅さんの手を掴んで立ち上がるが、立ちくらみでふらついてしまう。
「っ…と、………大丈夫か?」
ふっと暖かさに包まれる。
見上げると、織海くんが抱きとめてくれてた。
「ありがとう!」
織海くんと目が合う。
綺麗な目してる…不良なのに……
ちゃんと笑えてたかな?
笑顔、引きつってなかったかな?
私は織海くんを離れ、外へ…
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