恋箱。
駅を降り立った私達。
覚悟はしてたけど寒い!!!
さすが山の中。
「ね~みんなほっぺが赤いんだけど!!」
小声で奈々さんに耳打ちすると
「ホントだね~寒い地方の人ってマジで赤いんだぁ」
ほっぺが真っ赤になったケンを想像したらちょっと笑えた。
もう2年近くここに住んでるんだもんね。
可能性が無いとは言い切れない。大丈夫!!ほっぺが赤くたってアタシはケンが好きだよ。
降り立った駅は……その町でたぶん一番大きい駅。
お宿はもっともっと山奥なので宿のご主人が迎えに来てくれる約束になっていた。
「なんか……何もないね?」
主要な街の駅前だと言うのに高いビルは目の前のダイエーのみ。
人通りもまばらでなんだか寂しい。
毎日遊んでた繁華街を抜け出てケンはこんなトコに住んでいたんだね。
田舎の純朴そうな女の子とケンが並んで歩いてる姿が頭に浮かんでぶんぶんと首を振った。
ケンは……絶対に裏切らないよ。
言ったもん。
「必ず」迎えに来るってさ。
散策するような場所もなく、アタシ達は駅のベンチでタバコを吸いながら迎えを待つことにした。
この近くに、ケンがいる。
長かったね?
でもアタシ、頑張ったよ!!!