恋箱。
窓を開けてみる。天気は良好!!
寝起きはサイアクな葵だけど今日はちゃんと起きてのんびり化粧をする。
奈々さんはまだ爆睡中。
でも彼女の場合化粧しなくてもカワイイからいいよなぁ……なんてね。
もちろんケンに出会った頃は高校生だったからメイクしないか薄化粧だったけど今は違う。
キレイになったねって絶対驚かせるんだから!
念入りにアイメイクをして髪をセットする。
宿のご主人が住宅地図を持っていたので借りたみた。
でも……全然わかんない……。
落ち込むアタシに奈々さんも横で溜め息。
しょうがないから念のため聞いてみる。
「あの……○○さんって家知ってますか??」
するとご主人はいとも簡単に
「あ、知ってるよ~。○○さんの知り合い??」
「ええ。まぁ、ちょっと」
まさか知ってると思なくて変な声になっちゃった。
ケンの苗字の漢字はちょっと珍しい。漢字まで一緒となると間違いなくケン。
「あの、その方の漢字って○○ですか??」
「そうだけど。あ、行くんだったら連絡しておいてあげようか?」
「あ、いや大丈夫です!そんな深い関係じゃないので!!!」
動揺する私を不思議そうに見つめるご主人。
そんな連絡なんかされたら門前払いされちゃうよ。とは言えずにアタシはなんだか曖昧な笑顔。
結局親切なご主人に地図だけ書いて貰って旅館を後にした。
この時、もっとちゃんと聞いておけばよかった!!
って思うのはもう少し後の話。