恋箱。
……ハズだったんだけど。
行けども行けども聞こえるのは鳥のさえずりだけで民家なんて全然無い。
っていうかどうやって帰るんだろ?私達。
なんて心配になるぐらい山奥まで来てしまっていた。
「なんかこの先何もなさそうだね。」
「うん。」
時間もお昼を過ぎてしまっていて仕方が無いけど引き返すしかなかった。
アタシも奈々さんも明日は仕事。そんな連続では休めない。
だけど。
「ねぇ奈々さん?もうちょっとだけ付き合って貰ってもいい?」
出来ることがあれば何でもしたい!!そんな真剣なアタシの気持ちが伝わったんだろう。
「あやの気がすむまで付き合うから」
「ありがと。これでダメなら諦めるから」
そう言って取り出した携帯。
リダイヤルに残ってたアキラさんの番号を押す。
(お願い!出て!!)