恋箱。




そして……4月の半ば。



体の異変にはすぐに気がついた。2回目だから。




胸が張って、お店で焼酎を割る為の高級梅干をまるで果実のように何個も平らげた。





そう。





アタシは誰のコだかわからない子を妊娠していた。




それは、現実を受け止めようとしなかったアタシへの罰なのかもしれない。




オトコなんて信じるもんか。


冷めた口調で、アタシは関係のあったオトコ達に次々とその事実を告げていく。



お金は払うから……そう言った人。

転勤だと誤魔化して消えた人。

お前がヤリたがってた、と逆ギレする人。

俺の子じゃないと言い張る人。



でも誰一人として産んだら?

そう言う人はいなかった。




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