恋箱。



先生を思い出すアタシには気付かずアツシは言った。



「だってめちゃくちゃ忙しかったし!!この店であんな忙しいの初だよ~」



「確かに……いっつもヒマだもんねぇ」




今日も閑散とした店内を見渡しながらくすくす笑いあう。




「あ~でもやっぱり落ち着くよ。ヒマなシアンが」



寂しいけど、いる場所があってよかった。






そして



もっともな質問がアツシの口から投げかけられる。





「あやちゃん今日は彼氏は??」




!!!!!!



ズキンって胸が痛んだ。



でも、笑った。


今や明るいぐらいしか取り柄が無いアタシ。暗くなるのは似合わないよね?



「いやぁ~実はさ、前の彼女が忘れられないんだって!!で、フラれちゃった。ヒドイよね~」




アタシ、今ちゃんと笑えてる??



精一杯頑張ったつもりだよ?





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