恋箱。

気がついたらアタシは家を飛び出していた。


アタシが退学って事はケンももちろん一緒に退学。





ケンは週に１回だけいつも待ち合わせしてた駅に習い事でやって来る。



今日はその日。




真面目なケンがサボるとは思えない。


駅で捕まえなければ……ひょっとしたらもう一生逢えないかもしれない。






そんな終わり方絶対に嫌だった。

終わるつもりは無かったけど。





息を切らしてケンのいつも使っている駅に向かう。


ここで乗り換えをしないケンが使う出口は１つ。



そこで座って待つ。



ただ、頭の中で今後の事考えてた。



ホントは学校なんてどうでも良かった。



もしケンが

「じゃあこれから一緒にやっていこう！」

そう言ってくれたならどんなにキツイ仕事をしても頑張れる、そんな自信もあった。





ケンに話そう。


二人で一緒に生きてこうって話そう。



心にそう決めた時、改札にケンのいつもと変わらない姿が見えた。