恋箱。
「ケンっ!!!!!」
ケンは……駆け寄るアタシに驚いた顔をしてきょろきょろと辺りを見渡した。
そっか。
そんなに私と一緒にいるのが不安なんだね。
誰に見られてるかわかんないもんね。
幸い周りには見知った顔も無くそのまま二人で近くのベンチに座った。
「ねぇ……退学だって。聞いた?」
ケンは無表情に頷いた。
顔には全く生気がなかった。
「ね、一緒に逃げよ?ケンと離れたくないよ」
こないだ求人誌を死ぬほど読み漁った。
なんでも良ければ働くトコなんていくらでもある!
必死に……訴えた。
でも
ケンは
首を横に振った。