恋箱。




「ちょっとタバコ買いに行ってくる」



家でのジャージからスカートに履き変える。


世間体が大事なアツシの為。


彼は適当な格好で外に出る事を許したりはしなかった。




葵の全部が好き。



そう言ってたのにちょっと体重が増えれば冷めた目で


「その腹なんとかなんないの??」


……チェックが入った。




いつの間にか俺様になってたアツシ。


俺の隣を歩くんだから誰よりもカワイクなきゃいけない、そう思ってたんだよね?





コンビニに向かったアタシは中には入らずに実家に電話した。



「ママ……もう限界だよ。浪費癖、嘘、暴力……あんな人じゃなかったのに」



ママは……深くは問い詰めなかった。




ただ一言




「一回帰ってきたら???」




泣きながら「ゴメン」を繰り返し……アタシは実家に帰る決意を固めた。



それは結婚してわずか半年のコト。



幼い二人にはやっぱり結婚なんて無理だったね。



< 243 / 379 >

この作品をシェア

pagetop