恋箱。
「ちょっとタバコ買いに行ってくる」
家でのジャージからスカートに履き変える。
世間体が大事なアツシの為。
彼は適当な格好で外に出る事を許したりはしなかった。
葵の全部が好き。
そう言ってたのにちょっと体重が増えれば冷めた目で
「その腹なんとかなんないの??」
……チェックが入った。
いつの間にか俺様になってたアツシ。
俺の隣を歩くんだから誰よりもカワイクなきゃいけない、そう思ってたんだよね?
コンビニに向かったアタシは中には入らずに実家に電話した。
「ママ……もう限界だよ。浪費癖、嘘、暴力……あんな人じゃなかったのに」
ママは……深くは問い詰めなかった。
ただ一言
「一回帰ってきたら???」
泣きながら「ゴメン」を繰り返し……アタシは実家に帰る決意を固めた。
それは結婚してわずか半年のコト。
幼い二人にはやっぱり結婚なんて無理だったね。