恋箱。



高津さんとはトラックの運ちゃんで毎日顔を合わせてた。検品や押印は社員のアタシしか出来ないから時々しゃべる間柄。


そしてジャニーズばりのイケメンに鍛え上げられた筋肉で笑顔は爽やかで……。


店中のオンナの子達が夢中になってるのを興味無く横目で見るアタシ。



「彼、葵さん狙いらしいですよ」



何故か嬉しそうに笑うアイコ。




「はいはい、それはない!!あれだけモテてるんだからアタシなんて興味ないって!!それにアタシはもう……」


言いかけて口をつぐんだ。


あんまりネガティブな事を人に話すもんじゃない。




ネガティブは簡単に連鎖する。




それに……ここにもあとそんなに長くはいられない。


アタシの体力はある行為によって随分と落ちてしまっていた。




ふらふら倒れそうになる体をレジに腕をついてやっと支えている。


気力だけでアタシは動いていた。




< 266 / 379 >

この作品をシェア

pagetop