恋箱。




食事をまともに取れないアタシはどんどん衰弱していく。


そしてそんな変化は……すぐに見抜かれる。



「葵さん最近痩せましたね~アタシも痩せたいなっ♪」


レジにいるアタシにアイコが楽しそうに言う。


「なんでよ~アイコめっちゃスタイルいいじゃん?」



そうかなぁ??そう鏡をみるアイコ。


そんな彼女はアタシとは違って身長も高いし肌も若い。




アイコは気付いていないけど、あたしの体は不自然に痩せている。摂食障害の特徴的な痩せ方。




汚い痩せ方……。


分かってた。


だけど……やめようとは思わなかった。




「あっ高津さんですよ?」



自動ドアの向こうを見るとトラックが来ていた。



「じゃあそーゆーことでっ」



ってどーゆー事だよ??





去っていくアイコ。


まだ「高津さんがアタシを好き」説は浸透してるらしい。



高津さんが何件うちの系列店を回ってるのか知らない訳じゃないだろうに……ありえないから。



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