恋箱。
「ここで働いたらコンビニなんかだるいでしょ?早くここ1本にしなよ」
店長さんはそう言ってたけど親の手前なかなかそうもいかず、昼間は真面目にコンビニには行ってた。
まずは50万円!!
毎日働いていればあっという間だと思ったけど……生活に必要なものすら実家じゃ何も持ってない。家電やら布団やらを買う事まで考えたらじゃあ来月!なんて程簡単でもなくて。
冷蔵庫や電子レンジを先に買った。
親に対して本当に出て行くんだから!!とのアピールでもある。
「ホストには絶対に行っちゃダメだよ。それでダメになった子いっぱい見てるからね」
店長さんはよくそう言ってた。
ホストの子はお金を持ってる私達を狙って営業にやってくる。
個室に入っても何もしない。
その代わり安くするから一度お店に遊びに来て!そう言う。
別にケン以外に興味がなかったアタシは聞き流してた。
楽な客じゃん……なんてね。
でも……葵はいずれホストと関わることになるんだ。
この時は想像もしなかったけど。