恋箱。
第③章 依存
一人暮らしを始めた私は昼の3時〜夜の12時までお店に出始めた。
毎日5万ぐらいの現金を持って帰る。ありえない金額に金銭感覚がだんだん狂っていっている事にすら気がつかない。
月の頭に家賃や光熱費、税金とか必要なお金を封筒に入れる。まぁ1週間分もあれば十分。
そしたら残りは全部自分のお金。
ケンを忘れるため友達と飲みに行っては、ケンを思い出して泣き上戸になって泣いてた。
その繰り返し。
同じお店の人達ともたまに飲みに行った。
業界が長いおねーさん達ばっかりだからお洒落なお店に連れて行ってもらったり。
でもなんで風俗やってるの?だけは聞けなかった。
みんな何かを抱えてる。
それだけで十分。
アタシ達は口には出さないけど仲間だった。