恋箱。




「いらっしゃい!」


振り向くとまた別のホスト。


「あ、コウキ!おはよ~」


風俗の世界と一緒でこんな深夜にも関わらず挨拶は「おはよう」なんだ。


なんて妙なトコで感心してるアタシにマリさんがコウキと呼んだホストが笑いかけてきた。


「隣いい??」


「あ……どうぞ……。」


どっから見ても落ちそうだったんだろうな、アタシ。


今ならそう思える……ケド当時の自分は寂しさでいっぱいでコウキの言葉の裏側なんて考えなかった。


マリさんが下ろしてたボトルのブランデーを一緒に飲む。


酔ってたアタシは更にハイペースで飲んだ。


仕事帰りだからお金も持ってたし、何も心配する事なんかないって思った。





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