恋箱。




最初は緊張してたアタシも朝が来る頃にははしゃぎまくってて……。



その時、照明が急に落ちた。


いわゆるラスト。閉店ってコトらしい。




他のテーブルに行っていたコウキが暗闇の中から戻ってきた。


後からいつも言ってたね。


ラストの時に隣に座ってるオンナが本命のオンナなんだよって。





隣も見えないぐらいに落とされた照明。


なんとなくマリさんとツカサがくっついてるのが見えた。



お店のNo.1の子がラストの曲を熱唱する。それがこの店でのステイタスなんだとか。



戻ってきたコウキに突然肩を抱かれた。小さな体は簡単に、甘い香水の匂いにつつまれる。


「連絡先聞いてもいい??」


真剣な目で見つめられて……アタシは簡単に携帯を教えてしまった。



一人でここまで頑張ってきたけどやっぱり寂しくて、優しく抱きしめてくれるコウキの存在がダメなのに嬉くて……。


たとえホストだとしても。



一人が怖い。

誰かにすがってなければ壊れてしまいそうだった。




ねぇケン?


あなたは今一人で頑張っていますか?


それとも他の誰かと一緒にいたりするのですか??



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