俺を待っててくれる?

愛紗はまだ、泣いている。

優しく髪を触っては撫でて、おでこや髭の生えたチクチクする頬にもキスをして涙を流して…

「 雅弥… 早く起きてよ… 私、雅弥がいないと… いや… 」

愛紗……

俺の愛紗……

あの日、俺の意地のせいで 今 愛紗を泣かせているんだ。

愛紗を許していれば今ごろは…

朝も昼も夜もない意識の中で、俺は愛紗を思う。

デパートでの買い物をするカップルの風景は誰にだってある事で、男は大抵が女の横にいるだけ。
ただ、それでも俺が隣にいるって事、俺に振り返ってほしいんだ。

愛紗が好きで隣にいる俺に笑ってほしいんだ。

泣くなよ…

俺… ここにいるよ。

「 雅弥ぁ… ごめんね、ごめんね… 」

愛紗……

手に愛紗の温もりを感じる。

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