俺を待っててくれる?

医師や看護婦、両親まできて、周りの鼻水や涙声が響く中、俺は夢を思い出そうとしたけど、不思議と思い出せなくて、愛紗の泣き顔が辛かった。

俺はあの日、愛紗を泣かせている。

戻れるなら戻って許してやりたいんだ。
その時は愛紗に俺だけを見て、俺のためだけに服を見てもらいたい。
いつだってそばにいる俺たちは、互いに好きあっている事を当然にしてしまい、勝手に決めつけるだけになってた。

好きと聞かれたら好きだと答えるような、ただのキャッチボール。

今から戻ろう。

俺は愛紗が好きだ。

「 雅弥…雅弥…… 雅弥… 」

そんなに泣いてどうすんだ?
愛紗、俺、お前のためにここにいる。
泣くなよ… な。

< 12 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop