俺を待っててくれる?
マジで長いな… 前も決めかねてやめたしなぁ…
見るだけでなかなか決めない愛紗に俺はさすがに疲れてきて、甘いものを食べようと愛紗に提案した。
「 じゃあ、クレープがいいなぁ 生クリームたっぷり苺!」
「 俺は~ チョコバナナだな 」
こういう時はキッパリ決められるのに、服になると悩みすぎるから困る。
何着ても可愛いのに…
それを言ったところで、なんでもいいじゃ困るって言われてあんまり喜ばないんだ。
何着ても可愛いは、女には時として禁句らしい。
でも見るだけでついて回る俺の事も少しは振り返れよって思う。
愛紗が入ろうとしたアクセサリーショップの横にも服屋があった。
そこにあるマネキンが着ている紺色のドルマン風ニットセーターと、淡いピンクの千鳥、遠目に俺からはただのチェックにしか見えない。