俺を待っててくれる?
好きってなんだ?
相手の機嫌伺う事か?
一緒にいるって、俺はなんだ?
並んで歩くマネキンか?
愛紗が好きなのに腹が立ってしかたがない。
俺を振り返らない愛紗に腹が立ってしかたがない。
俺は愛紗が腕をつかんで引き留めようとするのを振り払った。
「 雅弥… そんなに怒らなくてもいいでしょ、服見るから、ね?」
「 遅い、買う気なんかねぇだろ 」
俺はスタスタ歩いて行く。
愛紗を振り返らずに。
エスカレーターには乗らず店舗一番奥にあるエレベーターの前まで来たが、乗るのを止めて階段へと行く。
「 雅弥っ!待って!」
走って俺を追いかけてきて、また腕をつかんで離さない愛紗に、イライラしたんだ。