Bitter Sweet
ーオレのこと忘れるな。

そう告げられてるかのような薄紅の印に、眼が釘付けになった。


あの日の熱が、蘇りそうになるのをギュッと目を瞑って堪えた。


ふぅ、と大きく息を吐いて着替え、鏡の中の自分を見る。


ーうん、オッケー。

キスマークなんて服を着てれば見えない。


…なんか、浮気でもしてる気分だ。


こんな跡をつけた人とは別のヒトと会う行為が。


どんどん、自分が汚く見えてくる。



こんなのバレたら、昂くんもガッカリするかもね…。


そう思いながら、準備をして部屋を出た。



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