Bitter Sweet
「あは、やっぱ若いね~!!今より線も細い~。」

高校生の頃の昂くん。
あの頃は一つ上なだけでも随分大人っぽく見えたけど、こうして見るとまだあどけなさが残ってる。

「そりゃ、しょうがないよ。18なんてまだまだガキだもんな。」

横からひょいっと覗き込んできて、ため息をつき私の隣に腰を下ろした。


「あの頃は、線が細いなんてあんまり思わなかったな~。弓道で腕の筋肉がすっごかったもん。」

…って、私が思い出すのは昂くんの素肌の二の腕なんだけど。

「今も腕太いよ、おかげさまで。ホラ。」

そう言って、触ってみろよ、と腕を差し出してきたので、
服の上からその腕を触ってさすってみた。

「…ふふっ、ホントだ。逞しいね。」

クスクス笑いながら、腕から手を離す。

「あー、俺はひかりの卒アル見てないんだよなー。俺の見たんだから今度見せろよ?」

「えー?やだよー。今より太ってるし。恥ずかしいもん。」

「…お前、俺だって恥ずかしいんだぞ?」

「男と女じゃ、全然違うよー!化けますからね、女は。」

不満気な昂くんを尻目に、
この話はオシマイ!と言わんばかりにアルバムを片付ける私。

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