Bitter Sweet
話題を変えようと、
違う話を振ってみる。

「そういえば、何か探してたんじゃないの?見つかった?」

「…うん。さっき急に思い出して、実家に寄ったんだけど…あったよ。」

そう言いながらシャツの胸ポケットから取り出して、私に見せてくれたものは。

ー1枚の写真。

昂くん達の卒業式で友達に撮ってもらった、

私と昂くんの最後の制服姿の2ショット。

私はちょっぴり、泣いた跡の残る顔。


「ー残ってたんだ、この写真。」

「机の奥深くにあった。…きっと捨てれなくて突っ込んだんだな。」

苦笑いを浮かべて、頭をクシャッとかきむしる。

「卒業ってやっぱり…大きな節目だったね。人生も、恋愛も。」

昂くんの手から写真を受け取り、
フーッと大きな息を吐いた。


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