Bitter Sweet
昂くんの家から出た私達は、

また車に乗り込み私のマンションの方向へ走り出した。


中華が食べたい、と昂くんが言うので、うちの近所にあるお店を提案したからだった。


お店へ着き、料理を一通り注文してようやく一息ついた。


「運転、お疲れさま。疲れたでしょ?」

そう尋ねると、

「そうでもないよ。ドライブがてら、ちょうどいいくらい。」

母校のある所まで、車で一時間ちょっと。

確かにドライブにはちょうどいい距離なのかもしれない。



しばらくして料理が運ばれてくると、昂くんが話し始めた。


「…今日さ、過去の自分達と向き合っておこうと思って誘ったんだ。」

「…向き合う?」

訊き返すと、ふわりと彼は笑って続けた。


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