Bitter Sweet
「昂くん、って、高校時代の彼氏だっけ?何、再会しちゃったの?」

美咲は目を丸くする。

そうだ、美咲は事の経過を知らない。

菜央と顔を合わせると、私の代わりに美咲に説明してくれた。


話し終わると美咲は興奮してキャーキャー騒いでいたけど、
菜央はそれをなんとか宥めながら私に質問をしてきた。


「で、付き合ってるの?昔の恋に引きずられたくない、とか言ってなかった?」


さすが菜央。鋭いツッコミだ。

軽くため息をつき、

「…付き合ってはない、よ。」

と答えた。

実際、デートみたいなことをするようにはなったけれど、

お互い、好きなのかどうか、図り兼ねてる。

…そんな感じだった。


「なーに、煮え切らないね?まぁ、付き合うまでのその微妙な時期が一番楽しかったりするし、その感じ?」

「うーん、それもあるんだろうけど、ちょっと違うかな。」

なんとなく視線を落として、ビールジョッキの外側に付いた水滴を拭う。

「でも、クリスマス一緒に過ごすんでしょ?お互い好きだからでしょ?それは。」

菜央が畳み掛けて言ってくるけど、
それには答えられない。

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