Bitter Sweet
小腹を満たした私達は、ライブ会場へ足を運んだ。


年齢層は、私達と変わらないくらいの人達が多い気がした。

やっぱり、元々ファンだった人が多いんだろう。


昂くんが用意してくれていたチケットに書いてある席につくと、

「なんか、ドキドキして来ちゃったよ…。」

と、妙に緊張してきた私は昂くんの横顔に話しかける。

「ハハ、分かる。俺もソワソワして落ち着かないし。」

ニッと片方の口角だけ上げて同調してくれた。


そうして少し経った頃、
照明がバンッと落とされ、代わりにステージに幾つもの色のスポットライトが当たる。

アップテンポなリズムと共に、観客の歓声がワァーっと轟く。


私達の声もその大きな歓声に混じり、昂くんと顔を見合わせながらそのうねりに乗っかって身体を揺らした。
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