Bitter Sweet
「本当に?」

高梨のモテっぷりを考えると、甘い言葉も私にだけ、とは想像し難い。

「何疑ってんの。オレ、色んなコに言い寄られても手は出さないよ?」

「…うん。でも出されることはあるよね?」

この間、キスされてたことを思い出す。

あぁ、と納得したような顔で高梨は私を見て答えた。

「分かった。出されないように気をつけます。…でも、嬉しいもんだな。」

「何がよ?」

「だって、妬いてくれてんでしょ?オレばっか妬いてるんじゃ割に合わないし。」


グッと言葉に詰まる。

「…そういえば、有田さんとはどうなってたの?」

こ、ここでそれを聞きますか…。

私は観念して喋ることにした。

「何度かデートみたいなことして…昨夜は告白も…されたよ。」

ものすっごい端的な説明。

刺すような視線に耐え兼ねて私は高梨の顔から目を背けた。

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