Bitter Sweet
「私、自分の気持ちがわかんなくて…待たせてごめんね。」

もっと早く気付けてれば、こんなにお互い苦しい想いをしなくて済んだはずなのに。


「プレゼントも、ありがとう。すっごい可愛くて嬉しかった。」

そういえば、高梨へのプレゼント用意してないや…。
クリスマス一緒にいられるなんて考えてなかったから。

「高梨、何か欲しいのある?クリスマスだし私も何かあげたい。後で買いに行こ?」

そう問うと、う~ん、と首を捻り考え込む。

「出かけるのはよしとして、プレゼントはもうもらったからイイ。」

私から体を離し、上半身を起こして言った。

私は?マークを頭上に浮かべ、

「え?いや、何もあげてないって。あっ、まさか、"私"がそうだとでも言う気!?」

笑いながら冗談でそんな恥ずかしいことを言ってみる。

「…それも含まれるかも。」

今思いついたように目を丸くした。

ー含まれるって、何?

っていうか本気?

嬉しさと恥ずかしさが入り混じって、どんな顔したらいいか分からない。
初めてシた学生みたいなこと、言うから…。

「正確には、"時間"。オレと一緒にいてくれる、これからの時間。もう予約しちゃったから。」

甘ったるい笑顔でそう言う高梨に、瞳の奥が熱くなった。


「…そんなこと言ったら、私だって高梨の時間もらうことになるじゃない。」

泣きそうなのを堪えながら反論する。

「オレはいいの。」

ニッコリ微笑み、ポンポン、と頭に手を載せて撫でるような仕草に胸の中があったかくなる。



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