Bitter Sweet
でも、何かしてあげたい…。

高梨の笑顔に負けないように、もう一度提案する。


「そんなこと言ったら、私は何もプレゼントできないでしょ!だから、そうだなぁ…。」

う~ん、と唸りながら考える。


「じゃあ、せめてケーキ作っていい?甘いの平気だよね?」

両手をパンッと合わせて、高梨の反応を見ると。

クシャッとした笑顔を見せてくれた。

「それ、めっちゃ嬉しい!手作りケーキなんてすげーし!勿論イチゴの載ってるやつね?」

子供みたいにはしゃいでて、カワイイ。

「ショートケーキね。いいよ。じゃあ材料買いに行かなきゃ。道具も高梨んチじゃないだろうから、あとでウチ行かない?」

高梨はニコニコして、いいよ、と言ってくれた。


高梨とのクリスマスを、もう一度。

今日は2人で味わおう。

考えてみれば、2人でまともにデートもしたことなかった。



これからいっぱい、私の知らない高梨を見つけよう。

高梨の知らない私も知ってもらわなきゃ。

ずっと、一緒にいられるように。



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