Bitter Sweet
しばらく歩いて、神社の参道近くまで辿り着くと、既に長蛇の列が出来上がっていた。

周りには屋台も出て、寒いけれど活気を感じる。

「あーあ、やっぱすげぇ人。しばらくかかるな。なんかあったかいモン買ってくるわ。何がいい?」

列に並びながら、私達は屋台を物色し始める。

「年越しソバないかなー?」

私が言うと、

「仮にあっても、美味くなさそう…。」

高梨がテンション低めに返す。

「じゃあ、おしるこは?」

「あー、それいいな。探してみる。他適当に買ってきていい?オレ腹減ってきちゃった。」

お腹のあたりを手でさすりながら、肩を竦める。

「うん、いいよ。よろしく~。」

笑顔でヒラヒラと手を振りながら高梨を送り出した。


人混みの中、1人で待ってるのもつまらないな…


そう思いながら、携帯をバッグから取り出して時間を潰す事にした。
< 198 / 263 >

この作品をシェア

pagetop