Bitter Sweet
それからしばらく、私の周りにオトコを寄せつけないための方法を高梨が思案しては、私が却下する、という会話を続けてるうちにもうお参りの順番が巡ってきた。


小銭を取り出し、お賽銭箱に2人で投げ入れる。

カランカラン、と頭上の鈴を鳴らし、パンパン、と手を合わせて目を閉じる。


ー数秒後。

目を開けて一礼し隣を見ると、微笑んで、ハイ、と手を差し出してくる高梨。


その手を取って、強く繋ぎながら歩き出した。


「高梨は何祈ったの?」

「んー?ナイショ。言ったら願い叶わなくなるんでしょ?」

「えー、聞きたい。」

「ひかりさんが言うなら教えてあげてもいいけど?」

「……ナイショだよ、そんなの。」

「………。」


なんだそれ、と言わんばかりの視線を受け止めて、
クスクス2人で笑い出す。
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