Bitter Sweet
ちょっとしたイタズラ心だった。

ひかりを好きになる年下の男は多いってことを、
あえて強調して。

高梨もそのうちの1人ってことだ、なんて気付かせてやりたくて。


でも高梨は、あまり気にしない様子で、むしろ肯定的な相槌を打っていた。


…そんなに独占欲とかないのかもな、とその時は思った。

なんせ女性に不自由したことないだろうし。


ひかりのことも、興味がある程度なのかと、高を括っていた。



ーでも。

何故か日に日に、
たまに高梨から受ける視線には、嫉妬心が見え隠れしてきた。


社内では隠してるけど、
高梨だけはもしかしたら。

俺とひかりの過去を、知ってるのかもしれない。

知り得るとすれば、
ひかりがヤツに話したってことだ。

俺との事を話せるほど、
高梨に気を許してるなんて。


会社の中での様子じゃ、分からなかった。

ひかりは高梨に全く興味なさそうだったから。


でも、何かが動き出していたんだ。


俺の情けない感情と共に。
< 218 / 263 >

この作品をシェア

pagetop