Bitter Sweet
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「有田さん。今、彼女いるんですよね?」

「ん?…さぁ、どうかな。」

高梨の視線から目を逸らし、素直に答えてやる義務はない、と曖昧に返した。


すると、少しの間、沈黙が流れる。


「お前こそ、どうなんだよ?あれだけモテるんだから、いないわけないよな?」


社内の噂では、いないらしい、とは聞いていたけど、本人に聞いてみたくなったんだ。

ーひかりのことも含めて。


「オレは…いないですよ。」

酔って赤らんだ顔がこっちを向き、俺を見据えるような視線を投げかけてきた。

「へぇ…、意外だな。俺も今、いないけど。」

「……別れたんすか?」

「まぁね。」

驚いたのか、高梨は目を見開く。

「他にいいヒトが出来たから、とかっすか。」

「…それもあるけど、理由は他にも色々な。」

「………。」

黙って、歩いていた速度を緩めてきたので、俺も速度を合わせながら再び高梨が口を開くのを待った。




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