Bitter Sweet
あの高梨が本気でひかりを手放したくないと思っているなら。


それにひかりも奴を必要としているなら。


俺はもう、出しゃばらない。

ひかりが幸せなら、それでいい。


まるで家族を想うような、

温かい気持ちが、俺の中に芽生えているから。




そう思えるのも、

社内で幸せそうにコッソリ微笑み合う2人を見たから。


不思議と痛い気持ちにはならなくて。

ただ、少し寂しいような感覚があったけど。


うまく気持ちの整理がつけられてるようだ。


それだけ、俺はある意味、冷静だったのかもしれない。


高梨の熱さが、ひかりを動かしたんだろう。
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