Bitter Sweet

すると、

「おー、お疲れさん！」

同じシマの先輩達がドヤドヤと店に入ってきた。
「お疲れ様です！…席は…。」
大まかに席の配置を説明し、皆適当に座っていく。

再び店の戸が開く音がして、そっちに顔を向けると、今日の主役が登場した。
「お疲れ様。お招きありがとな。」
「お疲れ様です。有田さんは席、あちらですから。」
高梨が上座に近い方を指差す。
「了解。」

程なく、課長達も到着し、歓迎会は開始した。

課長の挨拶、昂くんの挨拶が終わり、和やかな宴会ムードへ。

昂くんはみんなにビールをつぎながら、いつの間にか先輩方に囲まれて根掘り葉堀り質問責めに遭っている。

大変そうだなー、と他人事みたいに眺めていたら。

「おい、モモちゃん！有田と学校同じだったんだろ？こっち来て教えろよ～昔の話！」
昂くんとしばらく組んで仕事することになった、先輩の峰さん。
元々、明朗快活！って感じの先輩だけど、お酒が入ってそれに拍車がかかっている。
コッチコッチ、と手招きして、昂くんの隣を指差す。

うぅ、隣ですか…。

しょうがないな、と若干重い腰を上げ、席を移る。

その様子を、高梨が見ていたことには気づかなかった。