Bitter Sweet
ポツリ、ポツリと私は話し始めた。
昂くんとのこと。
流石に高梨も驚いていた。
「なるほど。有田さんと何かあるような気はしてたけど。それで今週はなんかヘンだったんだ。」
納得した様子で私をマジマジと見る。
「…ヘン、だった?ていうか、カン良すぎじゃない!?」
なんで分かるの!
そんな態度に出してたつもりないのに。
「他の人は気付いてないんじゃない。オレから見たら、心ここにあらず、って感じだった。」
よく気づいたな、といささか感心してしまう。
その一方で、高梨が拗ねていたのを思い出した。
いつもの飲み屋に行かなかったの
は、高梨ともちょっと距離を置こうと思ったのもあったからだった。
男として見られるにはどうしたらいいか試したい、なんて挑戦的なこと言われて多少なりとも、意識しちゃったからだ。
でもそれは、ここでは伏せとく。
「まぁ、そりゃ、動揺するでしょ?で、友達と飲みに行ったりしてたから、いつもの店には行けなかったんだけどね。」
「ふ~ん。それだけ?」
「それだけ、よ?」
なんだか自分の気持ちを見透かされてるようで、落ち着かない。
「有田さんかー。やるじゃん、ひかりさん。」
「…何がよぉ。」
「だって、あの人、男から見ても…って、やーめた。男誉めてもしょうがないや。」
グビッとハイボールを飲み込む。
…へぇ…。高梨から見てもいい男、なんだ。
自然と微笑んでしまった自分に気付かず、高梨が口を尖らせる。
「何、その嬉しそうな顔。元カレの評価高いとそんな嬉しいわけ?」
「えっ、そんな顔したつもりないけど!」
驚いて高梨の顔を見つめる。
「してました。何だよ、まだ未練あったりすんの?
そーいや、彼女いるとかいう話出てた、っけ…。」
聞かれるなり、私は高梨から視線を外す。
いきなり、核心をつくような質問してきたから。
どうしたらいいか、わからない。
自分の気持ちも。
未練?
ううん、未練なんてなかった。
なのに、今彼女がいるなんて当たり前の話をマトモに聞けないなんて。
昂くんとのこと。
流石に高梨も驚いていた。
「なるほど。有田さんと何かあるような気はしてたけど。それで今週はなんかヘンだったんだ。」
納得した様子で私をマジマジと見る。
「…ヘン、だった?ていうか、カン良すぎじゃない!?」
なんで分かるの!
そんな態度に出してたつもりないのに。
「他の人は気付いてないんじゃない。オレから見たら、心ここにあらず、って感じだった。」
よく気づいたな、といささか感心してしまう。
その一方で、高梨が拗ねていたのを思い出した。
いつもの飲み屋に行かなかったの
は、高梨ともちょっと距離を置こうと思ったのもあったからだった。
男として見られるにはどうしたらいいか試したい、なんて挑戦的なこと言われて多少なりとも、意識しちゃったからだ。
でもそれは、ここでは伏せとく。
「まぁ、そりゃ、動揺するでしょ?で、友達と飲みに行ったりしてたから、いつもの店には行けなかったんだけどね。」
「ふ~ん。それだけ?」
「それだけ、よ?」
なんだか自分の気持ちを見透かされてるようで、落ち着かない。
「有田さんかー。やるじゃん、ひかりさん。」
「…何がよぉ。」
「だって、あの人、男から見ても…って、やーめた。男誉めてもしょうがないや。」
グビッとハイボールを飲み込む。
…へぇ…。高梨から見てもいい男、なんだ。
自然と微笑んでしまった自分に気付かず、高梨が口を尖らせる。
「何、その嬉しそうな顔。元カレの評価高いとそんな嬉しいわけ?」
「えっ、そんな顔したつもりないけど!」
驚いて高梨の顔を見つめる。
「してました。何だよ、まだ未練あったりすんの?
そーいや、彼女いるとかいう話出てた、っけ…。」
聞かれるなり、私は高梨から視線を外す。
いきなり、核心をつくような質問してきたから。
どうしたらいいか、わからない。
自分の気持ちも。
未練?
ううん、未練なんてなかった。
なのに、今彼女がいるなんて当たり前の話をマトモに聞けないなんて。