Bitter Sweet
朝。外の光が随分強く差し込んできた頃、身体をようやく起こした。時計を見るともう10時だ。

思いがけず、二晩も高梨と過ごしてしまったな…。


酔ってたし、弱ってたとはいえ。

気恥ずかしい。


高梨はまだ寝ていた。

疲れてるよね、そりゃ。

高梨は明け方にも、私を貪ってから寝たから。


マジマジと高梨の顔を覗き込んで見る。

睫毛、長がっ…!
肌もキレイ。

このマスクは反則よね、やっぱり。アイドルみたいだもん。


そんな人と自分が、こんなことになるなんて、想像もしてなかった。


さて、と。

とりあえずゴハンの用意でもしよう。

何事もなかったように、振舞わなきゃ。


起き上がってシャワーを浴びに、部屋を出る。


熱いシャワーを浴びて、スッキリして出ると、高梨が起きてきたとこだった。

「おはよ。オレもシャワー借りていい?」

「…あぁ、はい。こっち。」

シャワーを彼氏じゃない男の人に貸すって、微妙…。
その思いが、ちょっとぎこちなさを生んでしまった。

「もっかい、浴びる?一緒に。」
私のぎこちなさを気にも止めず、ニヤニヤしながら言ってくる。
「結構です!」
バシッとタオルを投げつけて拒否し踵を返すと、冷た~い、と声がバスルームから聞こえてくる。


もう!思い出しちゃうじゃない!

高梨との夜を思い出して顔が熱くなる。

それをごまかすように、私はゴハンの用意に取りかかった。







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